「有佳本当に大丈夫?何かあったらいつでもいいから連絡して。それから、病院にも行ったほうがいいよ」

「わかった」


なんだかすっきりしない朝だ。
朝起きると胸焼けのようなむかむかした感じは無くなっていたが昨夜、眠れなかったのが堪える。


「じゃあ、行ってくるね」
そう言って出て行く賢也の背中を見つめて決心がついた。



昨日は足がすくんで一人では先に進めなかったが、今日はすんなりとドアをノックして入ることができた。


「来ると思ってました、いらっしゃい片桐さん」
満面の笑みで迎えてくれた松崎さんは,昨日よりは少しだけマシになったソファをすすめてくれた。


着手金の10万円を支払い金曜日に残業だと言われたら連絡するよう指示を受けると、とりあえず消化器科を受診することにした。

なにかの病気の前触れだと嫌だ、こんな気持ちで重大な病気とかになっていたら所構わず泣いてしまいそう。


煮込みハンバーグと豆腐と野菜の具だくさんスープをテーブルに載せる。
「ごめんね、9時以降は食事ができないのと一応消化のいいものにしたくて」

「構わないよ、それに有佳の料理はなんでも旨いし煮込みハンバーグは好きだしね」

「ありがとう」



ベッドに入るとまた、胃のあたりがムカムカとしてくる。

病気だったらいやだな・・・