「有佳ありがとう」

部長の家を出て夜の町を自分たちのマンションに向けて車を走らせていた。
有佳は何も言わずずっと窓の外を眺めている。

「大森さんが部長とも関係があるのを知っていたんだね、オレってバカだな」

有佳は、流れる夜景を見つめながら「本当にバカね」とだけ呟いてその後は二人とも何も話すことは無かった。


一人のベッドに倒れ込む

大森さんの彼が桑原部長とか・・・
結局、部長の精算のためにオレは使われたってことか・・・

結構ショックだけど、それ以上にショックだったのは
有佳がすべてを知っていたこと・・・
「本当にバカね」

残業だと言って大森さんに会っていたオレに愛想を尽かしていたのかも知れない。