「陽太……こんなところで恥ずかしい……!」
「あ、ごめん」
「もう……!」

雨音は、僕が人前で抱きつき、キスをしそうになったので、ほんの少し怒ってしまった。
かつての僕だったら、こんな雨音の一挙一動に不安になっただろう。
でも、今の僕は、これがただ恥ずかしがっているだけだと知っている。
雨音が教えてくれたから。

「それじゃあ……行こうか、雨音」
「うん、陽太!」

僕と雨音は、今度は同時に手を繋いで、未来のための目的地に向かって歩き出した。
もっと2人で幸せになるために。



Fin