「君のお父さんに認められて、安心したよ」
「だから、大丈夫だって言ったでしょ?」

雨音は、あれから僕に敬語を使わなくなった。
それは、僕と雨音がちゃんと夫婦になる心の準備ができたからだろう。

「それより陽太!私この後行きたいところがあるんだけど」
「君が行きたいところなら、どこでもついて行くよ」
「その言い方嫌」
「え?」

雨音は、僕の腕に自分の腕を絡ませてから

「一緒に行く……でしょ!」

と言った。

「そうだね。それで、どこに行きたいの?」
「それはね…………」

雨音が僕に耳打ちをしてきた内容に、僕は驚きを隠せなかった。

「それって……つまり……?」

僕の確認に、雨音がゆっくり頷いた。