「おまえに好きだと言っておきながら平気で他の女性と関係を持つ、おまえは俺をそんな男だと思っているのか」
「え、あ、いえ、そういうわけじゃ……」
「いや、まぁ、過去のことを踏まえればたしかに否定はできないが」
そこで一度区切った上条さんが私をじっと見る。
「でも、過去は過去でしかないし、今はもう違う。俺はおまえに対しては不誠実だったことは一度もないはずだ」
真面目な顔で言われハッとする。
その通りだと思ったからだ。
上条さんは最初から私に不誠実な態度はとらなかった。
勝手に好きになられてうっとうしかっただろうに、私を適当には扱わなかった。
だからコクリとうなずくと、上条さんは背もたれに背中を預けて足を組んだ。
「俺は恋愛感情はよくわからない。だから、前回佐々岡さんに会ったとき、聞かれた問いに答えられなかった」
「〝問い〟?」
「〝美波を大事にしていく覚悟がないなら、いつまでも中途半端なまま繋がっているのはやめて欲しい〟と言われた。〝本来なら自分が口を出すことではないのはわかっている、でも過去にボロボロになった美波を見てきて、その時はなにもできなくて途中で止めなかったことを後悔したから、今回はただ見守るのは無理だ〟と、俺に謝ってもいた」



