中庭で倒れた時にその余りに重い事実を知って、あんな華奢な身体と笑顔の裏でどれだけのものを背負っているのかと俺の方が怖くなった。


俺が力になりたい。家族以外の誰かのためにそう思ったのはもしかしたら初めてかもしれない。


だからこそ、今のこの連絡が取れない状況がもどかしくてたまらない。



「お兄ちゃんは、奈々美ちゃんはまた来てくれると思う?」


「あぁ。だってアイツはお前の友達だろ?」


「うん……。でも、そう思ってるのは私だけなんじゃないかとか考えちゃって」



美優がそんな弱音を吐くことは滅多に無くて。


急に大部屋に一人になったのが相当ストレスになっているのだろうと想像ができる。



「美優はさ、奈々美のどんなところが好きなわけ?」


「奈々美ちゃんの?」


「うん」


「そりゃあ、笑顔が可愛くて、優しくて、頭も良くて、しゃべっててすごく楽しくて。本当のお姉ちゃんみたいに思ってるの。……最初は一人部屋じゃなきゃいいって思って大部屋に移ったけど、もし同じ部屋なのが奈々美ちゃんじゃなかったら、きっともっとつまんない生活だったなあって思って」



奈々美の話をする美優は、とても嬉しそうだ。


最近は側から見ても姉妹に見えてくる二人。


似たような怪我をしたからか、通じるものがあったのだろう。


だからこそ、急に会わなくなって不安が募っているのだ。