「ねぇ,静香さんって優くんと付き合ってるの?」



朝いつも通り席に着くと,クラスメートの女子が私に問いかける。

彼女が山宮くんをチラッと見ると,ざわざわと他の女子も話し出した。



「ちょっ」



私も気になってた~! なんて声が沢山上がって,私は立ち上がる。



「待ってよ! 私山宮くんと付き合ってるなんてそんな……!」



あるわけないよ。

皆だってそんなこと分かるはずなのになんで

私は誰に向けてかも分からないけど,手を前に伸ばした。



「昨日,2人で楽しそうに帰ってるのを見たって人がいるの。写真も回ってる。しかもわざわざ他の人と時間ずらして帰ってたんでしょ?」



時間って,昨日は手伝いもなかったしそんなに変わらなかったのに。



「そんな,違うよ。確かに…」

「俺が誘ったんだよ。なんか文句でも?」



否定の言葉を遮るように,横から声がする。

のそっと起き上がって頬杖をつき,さらっと発言するのは,もちろん山宮くん。