白の姫に差し伸べられた、光と闇の手





「……ねぇ、私と白蓬李璃、そんなに似てるの?」




指摘もアドバイスも必要無いので他の話を振ると、來樺院獅紋の魔力が揺らいだ。




「似ていない。……自分でも不思議だ。どうして黒塚が、李璃に見えたのか」


「そう。どんな人だったの?」




今度は揺らぐことなく、滑らかに魔力が動く。

その声は柔らかく、慈しむようなものに変わった。




「李璃は……明るくて、優しくて、可愛くて。寂しがり屋だから、1人になるとよく泣いていた」


「……」


「子供の頃は魔法が使えないから、代わりに手品を覚えたんだが……李璃はそれを見るのが好きだったな」


「手品?」




意外な共通点があって驚いた。

手品は魔力封じを身につけて、魔法を使わずに魔法のようなことをする珍文化だ。