來樺院獅紋は眉根を寄せて、「分かった」と握手に応じる。
「じゃあ、僕は他の人と組も~。男女のペアなんて珍しいよね」
翠笑はニコニコ笑いながら謎の言葉を残して、芹羽港泰のもとに行く。
胡桃は他の女子と組んだようだ。
暗い顔はしていないから、安心していいと思う。
「ペアで魔力操作、したことあるか?」
「無い」
「それなら、俺が先にやる」
初対面と違って気だるげな声ではあるものの、全く会話をしないわけでは無いようだ。
來樺院獅紋は私に背中を向けたので、周りのペアの真似をして、その背中に手を当てる。
接触部位に集中すると、体内で動く魔力を感じ取れた。
淀みなく滑らかに、右手、右肩、左肩、左手、と練った魔力が移動する。



