白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



またもや、体操服姿に変わった翠笑がぬるっと会話に入ってくる。

学園では神出鬼没だ。


授業が始まると、まずはペアを作って魔力操作を監督し合うことになった。

準備運動のようなものらしい。



最初は胡桃と組もうかと考えたのだけど、こういう人目のある場所でアピールしておくのもいいなと考え直して、私は來樺院獅紋と翠笑に近付く。




「獅紋。私と組んで」


「……俺が?」




來樺院獅紋は私を見て、表情を変えずに聞き返す。




「あなたと仲の良い女子がいないから、胡桃が被害を受けてる。協力して、私と友達になって」


「あぁ、朝の?」




握手を求めるように手を差し出すと、翠笑がアシストをしてくれた。

これで断られたら、素直にごり押すつもりだけど。