「白蓬李璃のことって言っても、オレは実際に会ったことも無いし、詳しくは知らないんだけどな」
休み時間、情報通らしい芹羽港泰から色々聞くことにした私は、そう前置きをして話し出す彼の言葉に耳を傾けた。
「まず本人の特徴は、黒髪青目で、よく笑う明るい性格だってこと。來樺院との婚約は生まれる前から決まってたって話だ」
「それじゃあ、当人の意思は介在してないの?」
「まぁ、親同士が決めたことだからな。但し、当人達が反発してると思ったら大間違い。2人は子供ながら、相思相愛のラブラブカップルだったらしいぞ」
相思相愛、と聞いて、自分の席に座っている來樺院獅紋を見る。
白蓬李璃に思い入れがあるのは確かだろうけど、あの來樺院獅紋が女子に熱を上げている姿はなかなか想像がつかない。