授業を挟んでまた休み時間が来ると、胡桃から助言された通り、芹羽港泰に話しかけに行く。
「港泰。聞きたいことがある」
「オレに? 何だ?」
顔を上げた芹羽港泰は、赤い目を丸くして素直に首を傾げた。
胡桃にしたのと同じ質問をすると、彼は考え込むように視線を逸らす。
しばらくすると、口を開いてその答えを聞かせてくれた。
「人の入れ替わりならあったぞ。3日前に用務員が腰を痛めて、急遽代わりが来たらしい。來樺院の周りは、特に何も起こってないな」
「そう。ありがとう」
3日前に交替した用務員。
その人物が殺し屋かどうか、確認しておく必要がある。
「どういたしまして。それで? そんなことを聞く意図は?」
「港泰がそういうことに詳しいって、胡桃に聞いたから」
「いや、そういうことじゃなくてだな」



