テーブルを挟んで置かれている1人用のソファーにそれぞれ座り、率直に切り出すと、類家胡桃は頭を下げた。


その場で流れたのだから、別に改めてお礼を言う必要は無かったのに。

そう思ったものの、ここはひとまず受け取っておくべきか、と考えて「ううん」と答える。




「他にもああいうの、いるの?」


「い、いえ。直接何かしてくるのは彼女達だけで……あ、えっと、直接と言っても大したことでは……!」


「嫌なら詮索しないけど。胡桃が悪意をぶつけられてるのは、気分が悪い」




慌てる類家胡桃に思ったことを言うと、彼女は目を丸くして頬を赤く染めた。

可愛い。

素直にそう思ったのは、内緒だ。


けれど、何故突然赤くなったのだろう。

空調は快適だと思うけど。



……もしかすると、羞恥心を刺激するようなことでも言ってしまったのか。

一般人の扱いはよく分からない。