「楼燕さん、來樺院さん……近くに、いらしたんですね」
「おはよう、獅紋、夜唄。……いつも2人なの?」
「おっはよ~。いつもってわけじゃないよ。気分で一緒に登校したりしなかったり。ね、獅紋?」
「あぁ」
來樺院獅紋は覇気の無い、やさぐれた雰囲気を纏って、私と類家胡桃を見る。
私に視線を向けてきた間は、私も來樺院獅紋を見つめ返した。
こういった些細なことも、後々影響するといいけど。
「さっきはかっこよかったね~、黒塚さん。まぁ、僕達は最後しか見てないんだけど」
翠笑が先程のことに触れると、來樺院獅紋は何か言いたげな視線を隣に向けた。
多分、翠笑が嘘を吐いているんだろう。



