彼女達が類家胡桃を見下しているのは確かだ。
今聞いた限りだと、その理由は類家家とやらにあるらしい。
くだらない。
どんな家に生まれようと、人は同じように死ぬのに。
彼女達がやっていることも小さくて、溜息が出る。
「私には、あなた達が胡桃を見下せる理由が分からない」
「何ですって?」
私は足を止めて、顔を顰める女子達を見た。
類家胡桃は私の隣でおろおろしていたから、その豊かな胸元に手を伸ばして、するりとネクタイの先を取り出す。
「少なくとも、この学園では胡桃が優秀なのは認められてる。Sクラスじゃないあなた達に、Sクラスの胡桃を蔑める道理は無い」
「「「っ!」」」
「黒塚さん……」
「家柄がどうとか言う前に、自分の価値を高めたら?」



