彼女達は何が目的なのだろうか。
類家胡桃に悪意があるのは分かるけど、私を巻き込んで何をさせたいのかはさっぱりだ。
「胡桃の家がどうだろうと興味無い」
「まあ……あなたお名前は？ 名のある家のお方では無いのかしら」
「名乗る必要、ある？」
「……そう。ふふ、どうやらお似合いのお方のようですわね」
「っ、この方は、関係ありません。転校してきたばかりですから、同じクラスのわたしが案内を頼まれているだけです」
騒ぎを起こさずあしらうにはどうしたらいいか考えていると、類家胡桃がキッパリした態度を見せて、少し驚く。
ただ気弱なだけじゃ無いらしい。
認識を改めた私とは違って、絡んできた女子達は類家胡桃のその様子が気に食わなかったようだ。
「没落した家のくせに」
「名前ばかりの“お嬢様”じゃない」
