Side:???


お父様とお母様がお仕事に行ってしまって、ひとりぼっちになった――は、お庭の隅にしゃがみ込んで泣いていた。


おとうさま、おかあさま、はやくかえってきて。

ひとりぼっちはさみしいよ。




「みぃつけた。――ちゃん、ぼくといっしょにあそぼう?」


「ふえ……?」




顔を上げると、――の王子様が手を差し伸べて、優しく笑っていた。




「―――くん」




パチパチと瞬きすると、―――くんは――の前にしゃがみ込んで、ニッコリ笑う。




「――ちゃんにあいたくなって、あそびにきたんだ。もうひとりぼっちじゃないよ」


「……ふえぇぇぇん!」


「わっ、えっと、えっと……! なかないで? ぼくのおひめさま」




さっきまでは寂しくて泣いていたのに、今は―――くんが来てくれたのが嬉しくて、涙が止まらない。