白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



魔法には、大きく分けて3種の属性分類がある。


1つは基本属性。

火、水、土、風、無の計5種類で、生活、そして生命に馴染み深い文字通り基本の属性だ。


基礎は小中学の義務教育にも組み込まれているので、魔法学を専攻していない一般人でも扱いやすい、らしい。



もう1つは、派生属性だ。

これは専門知識を必要とされる高度な属性。


雷、融解、氷、毒、鉱物、木、音、重力の8種があり、知識があっても扱うのは難しい。

基本属性との大きな違いは、派生属性を2種類以上扱うのは不可能に近いと言われていること。


私は自他共に、魔法と殺し以外はからっきしと認めるくらい偏った教育を受けてきたので、派生属性が2種扱えるくらい脳の容量が空いていたのだろう。

しかし、ターゲットの來樺院(らいかいん)獅紋(しもん)は、そういった偏った教育を受けずに、雷と鉱物、2種の派生属性を得意とする天才だ。