「――! ――、――……!?」
天井の蛍光灯に照らされて、長方形のテーブルや壁、人体や床に突き刺さった氷の槍が煌めいた。
初撃で仕留められたのは、12人の内、7人。
混乱、怒り、恐怖、焦燥に顔を歪める残りのターゲット達は、自らの声を失ったことに気付き、思わずと言ったように喉を押さえる。
殺し屋としては、そんなあからさまな隙を呑気に眺めていることはできず、会議室を吹雪で満たして彼らを凍り付けにした。
これで、任務は完了。
割れた窓から濃灰色の床に飛び降りると、足元のガラス片が音もなく砕けた。
足音も、衣擦れの音も、今この場所には、音という音が一切存在しない。
それはもう1人のサポートによるもの。
現場を去る前に、私は菊の花を模した氷像を12個作り、いつも通りターゲット……スーツを着た男性達の傍らに供えた。