白の姫に差し伸べられた、光と闇の手





「前に調べたんだ。來樺院(らいかいん)のご機嫌取りに」


「うわぁ、堂々と言うあたり清々しいね~」




単なる友人同士かと思ったら、どうやらそうでもないらしい。

翠笑(すいしょう)を含めた4人の関係は、後で翠笑自身から聞くことにしよう。




「これは大して意味が無かったからな。來樺院のやつ、とっくにチェックしてたらしい。白蓬(はくほう)李璃(りり)が関わるとほんと別人になるよ」


「あぁ、さっきのは僕も驚いたな〜。獅紋(しもん)が熱くなるとこ、初めて見たし」


「嘘くさいな。本当に驚いたのか?」


「本当本当。びっくり大仰天」




ニコニコしている翠笑に、芹羽(せりう)港泰(こうだい)は胡乱げな目を向ける。


学園でもこんな扱いとは。

私の知る翠笑と楼苑(ろうえん)夜唄(ようた)に大差は無さそうだ。


芹羽港泰は溜息を吐き、切り替えるように腰に手を当てた。




「まぁ、今はあの時の労力も無駄じゃ無くなった。オレの知る限り、白蓬李璃は黒塚(くろづか)とは正反対の人間だ」