「俺を憎んでいる氷霞に、夜唄が俺の実の息子だと打ち明ければどうなる?」
金色の瞳が僕を見つめる。
李璃ちゃんが昔の記憶を思い出した時から、考えていたことだ。
“父さん”に白蓬家の当主夫妻を手にかけた殺し屋の正体を聞きに行った時は、こんなことになるなんて思ってなかった。
ただ口止めされたから、李璃ちゃんに言わなかっただけなのに。
「きっと、僕から離れる。……李璃ちゃんに嫌われるなんて、耐えられない」
「だろう? 今はお前に依存しているが、憎い俺の息子に愛情を抱くのは無理な話だ。氷霞から憎しみに満ちた目で睨まれたくなければ、俺の口を永遠に封じてみろ」
父さんが背中から手を回して、李璃ちゃんの顎を掴み、スーツの胸に体を凭れさせる。



