「分かってるよ。大丈夫。“李璃ちゃん”が苦しまないように、これからもっと、僕のこと好きにさせてあげるから」




貼り付いた嘘くさい笑顔じゃない、少し悲しそうな、けれど熱が滲み出た甘い笑顔で、夜唄くんは答える。

それに私の心臓はとくとくと弱い反応を示して、胸はそれ以上の温かさで満たされた。




「ごめんね……ありがとう。これからもずっと私の傍にいて、夜唄くん」


「うん。2人で一緒に堕ちていこう。……初めて会った時から好きだった。大好きだよ、李璃ちゃん」


「私も……夜唄くんが好き。愛してる」




抱き締め合って、体温を感じて。

これからも私達は、慰め合いながら底の無い闇に堕ちていく。




――私は、千化に復讐する。


千化から殺しを学ぶのは屈辱だけど、利用された分、私も千化を利用して、いつか殺してやる。



闇の中だからこそ、届く刃を磨いて。