白の姫に差し伸べられた、光と闇の手





「ねぇボス、試験ってどういうこと? 本当は獅紋を殺す必要なんて無かったの?」


「來樺院獅紋の暗殺依頼が来たから、ついでに試験をしようとお前達に任せたんだ。だが、後で他の殺し屋にも依頼していることが分かったから、契約違反で依頼主は殺した」


「……契約、違反?」




説明を聞けば聞くほど、体が硬直する。

私の覚悟も葛藤も、全て馬鹿にされているようで……無意味だったと、告げられているようで。


ボスは残酷に言葉を紡いだ。




「最初は來樺院獅紋を殺させるつもりだったが、契約違反で暗殺依頼は白紙になったから、今は來樺院獅紋を殺す必要は無い」


「な……ちょっと待ってよ、契約違反って、他の殺し屋がいるって聞いたのは氷霞ちゃんが潜入してすぐだよ?」


「あぁ。だから、あの時にはもう、來樺院獅紋はターゲットじゃ無くなっていたわけだ」