私の任務は、1ヶ月以内に來樺院獅紋と恋仲になり、殺害すること。
任務を遂行する上で有利な点は、來樺院獅紋が私に興味を持っていることと、ルームメイトの類家胡桃が來樺院獅紋と親しいこと。
そして、サポート役である翠笑が既に來樺院獅紋と交友関係にあることだ。
逆に、任務遂行に不利な点は、來樺院が魔導警察の家系である為、慎重に動かなければいけないことと、來樺院獅紋に婚約者がいること。
「その反応じゃ、どうやら人違いみたいだな。まぁ、あんまり気を落とさないことだ」
「へ~、獅紋って婚約者いたんだ。流石良家って感じだね」
私の机から手を退かした來樺院獅紋の肩に、茶髪赤目の男子が手を置く。
赤髪紫目の普段と違い、赤茶髪に金色の目をした翠笑は嘘くさく驚いた。
あの様子じゃ、翠笑も婚約者のことは知らなかったらしい。