けれど、魔導警察に保護される翠笑は、そのまま逮捕されて、獄中での終身刑か、死刑に処される。
私も同じ。
そして獅紋くんは犯していない罪で苦しむことになるだろう。
翠笑と生きる道を選べば、私は獅紋くんを殺さなければいけなくて、ボスとどう向き合うかも決めることになる。
ボスに復讐するか、ボスに利用され続けるか、どちらの道を選んでも、苦しみの渦中に身を置くことだろう。
けれど、翠笑という苦しみを分かち合える人がいて、今まで通り慰め合いながら精神を保つことができる。
『はやくおとなになって、りりちゃんとけっこんしたいな。そうしたら、おんなじいえにすんで、いつもいっしょにいられるもんね』
『氷霞ちゃん、僕とずっと一緒にいてくれる? こうして氷霞ちゃんが傍にいてくれたら、どんなに辛くても、生きていける気がするんだ』