選ばなくてはいけない。
それがどんなに残酷なことでも。
「婚約者だから、背負わせるの? 抱えきれない僕達の罪を。潔白な獅紋に」
「罪の重さに耐え切れなくても、罪を重ねてはいけない。その先にあるのは更なる闇だ」
翠笑の紫の瞳と、獅紋くんの緑の瞳が私を見つめる。
どちらの言葉も、私の心を大きく揺さぶって、2つの道を示した。
「俺と生きよう、李璃。奪われた俺達の未来を取り戻すんだ。一緒に背負う。俺が李璃を苦しみから救うよ」
「僕と生きよう、氷霞ちゃん。この苦しみが分かるのは、僕達だけだ。一緒に堕ちよう。本当の救いは僕があげる」
獅紋くんと生きる道を選べば、魔導警察によってボスは逮捕され、獅紋くんも、翠笑も、ボスに殺されることは無いかもしれない。