白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



吹雪をけしかけ、防ぐ熱気に水をぶつけて蒸発させ、霧がかった部屋で氷の鎖を作って獅紋くんを拘束する。

大人しくしてくれれば、一撃で殺すのに。


しかし、捕らえたはずの獅紋くんは氷の鎖から抜け出し、逆に私を鉱物魔法の鎖で拘束した。




「俺を信じろ、李璃! 兄さん達だっている! 千化が俺を殺しに来ても防いでみせる!」


「無理だよっ、私に魔法を教えてくれたのはボスなんだ……! ボスはどんな属性だって使える! 人の魔法だって消せるの!」




私は体に巻きつく鎖を融解魔法で溶かして、私に近付いてくる獅紋くんに炎の蛇を放つ。

獅紋くんは驚きを顔に出しながら、ギリギリで水の壁を作って蛇を防いだ。



ボスは私に、実演を交えて魔法を教えてくれた。

だから知ってる。


ボスは、基本属性も、派生属性も全て扱えるのだと。


千に化けれるのは、容姿だけじゃない。