白の姫に差し伸べられた、光と闇の手





「俺が李璃の心を読めないとでも? 李璃は今も俺のことが大好きなんだろう?」


「違う。何の感情も抱いてない」


「良心が残っているから、こんな言葉が響くんだ。可愛い李璃。そんなに苦しむなら、最初から罪なんて犯さなければいいのに」


「……」




ふふっと笑う声が聞こえて、無表情を保つ。

精神が弱ってしまったら、私はきっとお兄様に全てを白状してしまう。


5日は耐えないと。

もし助けが来なくても、自力でここから逃げるんだ。



流されないように気を強く持っていると、取調室の扉がコンコンとノックされた。




「失礼します。潮捜査官、お話が……」


「はーい。大人しくしててね、李璃」


「っ……」




潮捜査官は立ち上がるついでに私の頭を撫でて、取調室の扉を開けたまま廊下でヒソヒソと話し込む。