ぐちゃぐちゃに乱れる魔力を、それでも操って1箇所に集める。

無作為に奔流する魔力は吐き気がするけど、2日かかってようやく慣れてきた。




「ねぇ、李璃(りり)? 千化(せんか)が手下達にドクロのタトゥーを入れさせるのは、何故だと思う? ……自分の身代わりにする為だよ」


「……」




(うしお)捜査官の揺さぶりには、まだ引っかかってしまう。

過去に心を許していた人だからか、それだけ優秀な捜査官だからか。


正確には分からないけど、やはり手強い相手だ。



魔導警察に捕まり、留置所暮らしになって3日目。

私は今日も朝から取り調べを受けて、手錠をつけたままでも魔法を使えるように、魔力操作の練習をしている。




「覚えているかい? おばさまと、俺と獅紋(しもん)と李璃、みんなで自然公園に行ったこと。広い公園でのびのびと遊んで、小高い丘で魔法を教えてあげたよね」