獅紋くんが罪を許すことは決してない。
大罪を犯してしまった私は、獅紋くんに愛してもらう権利すらないから。
思わぬ人物との再会、そして相談ができたことで、私は幾分か落ち着くことができた。
ボスへの思いは一旦横に置くとして、魔導警察に捕まったままではいられないから、ある試みをする。
その成果は簡単には出ないけど、私はねばり強く、夜通しそれの練習をした。
「おはよう、李璃。取り調べの時間だよ」
翌日も私に冷ややかな笑みを向けた潮捜査官に、私はやはり、ボスの情報を漏らさなかった。
『魔導警察に捕まったり、何らかの事情で帰れなくなったら、5日待て。迎えに行ってやる』
ボスのその言葉を信じて。