白の姫に差し伸べられた、光と闇の手





「殺し屋になったのも、それがきっかけでねぇ……って、あら、こんな話じゃ無かったわね」




蠱惑はパンと手を叩いて、話を戻した。




「あなたのことを話さなかった理由よね。あなた、絶望の中にいるような、暗い目をしてるでしょ? それが自殺する前の妹とそっくりで……言えなかったのよ」


「……ありがとう」


「お礼なんていいわ。あたしの自己満足だから。……そういうわけだから、お姉さん、あなたのこと放っておけないのよねぇ」


「そう、言われても……」


「まぁまぁ、今はあの捜査官もいないんだし、お姉さんに話してごらんなさいな。あたしは男に関しては経験豊富よ?」




蠱惑の言っている分野とは違う気がするけど、その押しに負けて、私は潮捜査官にも言わなかったこれまでの話を蠱惑にした。