「黒塚さんってどこの学校から来たの?」
「趣味変わってるね~」
「彼氏いる?」
「得意な魔法は?」
「手品、自分でもやるの?」
答える間もなく、質問が飛んでくる。
これはいい傾向、なんだろうか。
とりあえず、答えに困るからもう少し落ち着いて欲しい。
「退いてくれ」
「きゃっ」
「あ……」
「ら、來樺院……」
どの質問から答えようか迷っていると、私の周囲とはまた別のところからざわめきが聞こえて、人の間から手が伸びてきた。
割って入るような強引さとは裏腹に、その手は、とん、と優しく机に置かれる。
その人物に気付いてか、周囲に集まっていた人は、自然と私の机から離れた。
「名前は?」
さらさらの金髪から覗く緑の瞳が、真っ直ぐ私を見つめる。
向こうから接触してくるとは好都合。



