白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



あのDNA解析機とやらは、やっぱりそんな使い道では無く、内部にカメラが仕込まれていて、口を開けた瞬間の映像が撮られていたようだ。

してやられた。



名状としては、公務執行妨害の現行犯で逮捕された私は、パトカーで魔導警察署に連行され、取調室に入れられた。




「やぁ、初めまして。千化(せんか)の手駒の氷菊(ひょうぎく)くん? あ、氷菊はこっちでつけた名前だから、別の名前があるか」


「……!」




ガチャ、と扉を開けて取調室に入ってきたのは、親しみを感じさせる若い男性。

私は何よりも、その顔に驚いた。


毛先を遊ばせた金髪は洒落っ気があり、親しみやすさの中に知性を秘めた瞳は緑色。

記憶にある姿よりも成長していて分かりづらいけど、獅紋くんの面影を感じるあの顔は、間違いなく――……。