テーブルを足場に高く跳んで、バク宙の要領で迫ってくる魔導警察官2人の背後に着地する。
まだ対話で切り抜けられるか、殺し屋と確信されたものとして逃げるか。
一瞬の迷いが足を止めて、次の行動が遅れた。
「この部屋から逃がすな!」
「チッ……」
後者だったと荒井田の激で分かり、舌打ちをこぼしながら魔法で髪を白く染める。
窓と扉、両方とも1人に守られているけど、扉の方が守る範囲が広い分、突破しやすい。
吹雪を纏って退路を扉に定めると、足下を凍らせて魔導警察官の動きを妨害しつつ、扉を蹴破って廊下に出た。
その勢いのまま、廊下の窓から校舎を出てしまおうと考えた私は、目の前の光景に思わず足を止める。
「な……っ」
「確保しろ!」
廊下には、生徒指導室の扉を囲むように、複数人の魔導警察官が立ち塞がっていた。



