魔導警察官に囲まれ、連れて行かれたのは高等部校舎の生徒指導室だった。
教室で説明した通り、簡単な聞き取り……事情聴取をするつもりらしい。
「どうぞ、お座りください」
教室でも先頭で話していた男性に、にこやかに勧められ、いつでも動けるよう警戒しながらイスに座る。
長方形のテーブルを挟んで、向かいにリーダー格の男性、私の後方に2人の魔導警察官、扉と窓の前に同じく1人ずつの配置だ。
生徒指導室の前まで同行した学園の職員は、それとなく帰されている。
「改めまして、私は荒井田と申します。まずはあなたの口から自己紹介をしていただけますか?」
「……さくら魔法学園4年Sクラス、黒塚瑠璃です」