白の姫に差し伸べられた、光と闇の手





「あ、おはよ~。瑠璃ちゃん、類家(るいけ)さん」


「ん? おはよう、胡桃嬢。黒塚(くろづか)も、体調はよくなったのか?」


「おはようございます」


「おはよう。もう大丈夫」




前の方を歩いていた翠笑と港泰(こうだい)が、こちらに気付いて合流する。

胡桃は港泰と笑顔で話し、翠笑は私の隣に来てニコニコ笑いながら顔を覗き込んできた。




「気分はどう? 何かあったら言ってね」


「うん。大丈夫」




私は翠笑が好きだ。

それは、胸がときめくような恋情じゃなく、依存が混じった愛情。


心の弱いところを晒して、傷を舐め合ってきたのだから、そんな感情を抱くのも当然だろう。

それを危険だと思いつつも、離れられないのは今も昔も同じ。