目が合ってしまったことにビクッとして、すぐに背を向ける。
「待って。僕のこと、心配してくれたんだよね? 言ってくれなきゃ分かんないよ。どうして僕から逃げるの?」
「今までが、近すぎただけ。これが私達の……殺し屋の、正しい距離」
「こんなのが? 僕が怪我して失望でもした? 足引っ張っちゃったもんね」
「そんなことない! あれは気が緩んでた私が悪かったの!」
無視できない言葉に振り返ると、翠笑は優しく笑っていた。
「やっぱり、氷霞ちゃんは優しくて、真面目で……不器用だね。僕のこと、避けてもいいからお喋りはしてよ」
「それ、は……」
「氷霞ちゃんが安心できる距離感でいいよ。1人で抱え込まれるより、ぶつけられた方が嬉しいから」
翠笑にそう言いくるめられて、私達は次第に、今の関係になっていったんだ。
近づきすぎないように、遠すぎないように、当たり障りのない距離感へ。



