Side:氷霞(ひょうか)




翠笑(すいしょう)くんっ!」




ある日の合同任務で、翠笑は私を庇って怪我を負った。

原因は、私が翠笑をぼーっと目で追っていた為に、ターゲットの仲間に気付かなかったこと。


血を流す翠笑を見て、私は青ざめながら翠笑に心を許したことを後悔した。




「ねぇ、氷霞(ひょうか)ちゃん。氷霞ちゃんってば!」


「……私に、近付かないで」


「どうして? 何で急に冷たくなっちゃったの?」




翠笑の怪我は、必死に手当てした。

でも、その後は出会った当初のように、冷たい態度を取った。


ボスは私達が仲良くなったことを知って、一緒に住むように、とマンションの一室をくれた。

翠笑を避けるようになったのは、一緒に暮らしてしばらく経った頃だから、完全に交流を断つことはできなくて。




「痛っ」


「!」




リビングにいた翠笑の声に反応して思わず視線を向けると、翠笑も私を見ていた。