白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



お父様とお母様が眠っている大きなベッドを見ると、誰かがいた。


あれ? だれだろう。


そう思ってすぐ、寝室から変な臭いがすることに気がついて。

ベッドをよく見ると、お父様とお母様が……?




『……』




ベッドの横にいた黒い人は、いつの間にか李璃の目の前にいて、頭に手を乗せられた。

覚えているのは、薄闇の中で光る金色の瞳。


李璃の意識は、そこで途切れた。




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Side:―――


少女が眠りについた後、少年はボソッと呟いた。




「氷霞ちゃんが、白蓬李璃だったなんて……それじゃあ、僕は……」




少年は唇を引き結び、少女をぎゅっと抱き締める。




「ごめん……ごめんね……」





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魔道警察署のとある一室。

男はデスクの前にいる少年に、親しげな笑みを向けた。




「やぁ、よく来てくれたね。私の可愛い弟くん」