さくら魔法学園高等部は、Sクラスを含め各学年が4クラスで構成される。
但し、成績優秀者を集めたSクラスと一般クラスでは生徒数が違い、Sクラスは決まって20人、一般クラスは35人前後となっている。
11月という1年の後半の時期になって転校してきた私は、Sクラス異例の21人目となったことで、随分注目を集めているらしい。
好意を持たれるにはまず興味から。
ターゲットも噂に釣られて私の存在を意識しているといいけど。
4年Sクラスの担任、辻野千秋の後に続いて、生徒指導室から1階上がり、ターゲットが待つ教室へと向かう。
私達が教室に着く頃にタイミングよくチャイムが鳴り、担任は私を廊下で待機させて教室に入った。
「皆さん席に着いて、おはようございます」
薄い扉から漏れ聞こえる声を耳にしながら、そっと目を瞑る。