白の姫に差し伸べられた、光と闇の手





『おじさま、だぁれ?』


『通りすがりの“おじさん”だ。名乗るほどじゃあない。お嬢ちゃん、親御さんに捨てられたのか? 酷い有様だったが。今までひとりぼっちで大変だっただろう』




同情するように言われて、そっか、と納得する。


わたし、おやにすてられたんだ。

いままで、ひとりぼっちだったんだ。


だけど、そう思ったら凄く悲しくなって、涙がポロポロこぼれた。




『ふ、ぇ……ふぇぇぇぇえん!』


『あぁ、ごめんな。言い方が悪かった……よしよし、泣き止んでくれ。もうお嬢ちゃんはひとりぼっちじゃない。そうだ、いい施設を探してやろう』




ひょい、と抱っこされて、背中をとんとん叩かれると、体が温かくなって、“おじさん”にしがみつく。