白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



2人で一緒に、風魔法でベッドの上に移動すると、翠笑が私を抱いたまま後ろに倒れる。




「ほら、氷霞ちゃん。一緒に寝よう?」


「……頭がぐちゃぐちゃで、寝れない……」


「それじゃあ、眠れるまで子守唄を歌ってあげるよ」


「うん……ねぇ、翠笑。私が起きるまで、ずっと傍にいて……わたしを1人にしないで」


「分かってるよ。大丈夫。ずっとこのままでいるから」




ごろんと寝返りを打って、抱き合ったまま横になった。

翠笑の返事を聞いて、私は目を瞑り、少し速い鼓動と、綺麗で優しい歌声に耳を傾ける。


昔は、慰め合ったまま、2人でよく眠りに落ちたっけ。




「♪今日もよく頑張った 良い子はもう寝る時間だ」




朝起きると、翠笑は自分の部屋に戻っていることも多くて。