「氷霞、ちゃん……? ……そっか。僕はもう、いらない?」
翠笑が、いつもの笑顔とも違う、傷付いた笑顔を見せるから。
私の胸はズキッと痛んで、涙がこぼれた。
「違う! 私じゃない……私は……っ」
「わっ……ひょ、氷霞ちゃん?」
ベッドの前に膝をついている翠笑の胸に飛び込む。
頭の中も、心の中もぐちゃぐちゃで、ただただ苦しい。
「殺し屋の私と……白蓬李璃の、わたしがいる……っ、全部、ぐちゃぐちゃで……たすけて、翠笑……っ」
「っ……うん。分かったよ。大丈夫……僕が、傍にいるからね」
優しく背中を撫でられて、ぎゅうっと翠笑に抱き着いた。
私を見失わないように、翠笑の温もりを感じて、私の思いを口にする。



