「う、ぁ……っ、あぁ、あ……っ!」
「李璃……もう、大丈夫だ。これからは1人にしない……俺が守るから」
「っ、だめ……っ!」
獅紋くんの優しい言葉にハッとして、縋りそうになったその胸を強く押し返した。
「李、璃……?」
少し体を離した獅紋くんは、驚いたような、傷付いたような顔をしてわたしを見る。
「ちがう……わたし、そんな……うそ……こんな……っ」
光溢れる温かい記憶を思い出したからこそ、深く深く闇に沈んだ今の自分が、許されないものだと……あってはならないものだと、痛感させられた。
「いやぁッ!」
頭を抱えて首を振る。
現実に耐えきれなくなって、わたしは獅紋くんの腕の中から逃げ出した。
「李璃っ!」



