白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



温かくて、懐かしくて、光に溢れた、優しい記憶。

どうして、忘れていたんだろう。




「あ……ぁ……わ、たし……わたし、は……」




涙がポロポロとこぼれる。

一言では表せない、沢山の感情が入り乱れて、津波のように、台風のように、心に押し寄せては暴れ回った。




「李璃……っ」




呆然と涙を流すわたしを、“しもんくん”がくしゃっとした顔で抱き締める。




「そん、な……獅紋、くん……?」


「あぁ……俺だよ、李璃。ずっと逢いたかった……生きていてくれて、本当によかった……!」




耳元で聞こえる声も、わたしの体を抱き締める腕も、全身で感じる温もりも、全てが優しくて……愛おしい。

その心地よさに、懐かしさに、涙が止まらなくて嗚咽を漏らした。