白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



金色の髪に、緑色の瞳の“おうじさま”。

私は差し出されたバラを受け取って、笑ったんだ。




『ありがとう、しもんくん。だいすき!』




そう。

あの時、“わたし”は確かにそう言った。




「……しもん、くん……?」


「! 李璃、思い出したのか!?」




驚いた顔の獅紋に呼ばれた名前が、やけにしっくりくる。


それから、一気に色んな記憶が蘇って、頭の中がぐちゃぐちゃになった。




『おいで、りりちゃん。いいものをみせてあげる!』


『ただいま、李璃。泣かないで待っていられたかい?』


『お嬢様、庭のお花が綺麗に咲いていますよ』


『やぁ、未来の義妹(いもうと)さん。獅紋は向こうの部屋にいるよ』


『お誕生日おめでとう。愛しているわ、李璃。私達の最愛の娘!』