白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



落胆。

それが理想の表情だったのに、獅紋は何故か、柔らかく微笑んで目を瞑る。




「し、もん……?」


「あぁ……すまない。これから説明するよ。まずは……」




どこか雰囲気が変わったような、と戸惑うと、獅紋は魔力波解析機を仕舞って、握った手を私の目の前で開いた。




「え……?」




そこからポン、と現れたのは1輪のバラで。

突然の手品に呆気に取られていると、獅紋はバラを口元に寄せて穏やかな声を発する。




「このバラに誓って、李璃が寂しい時は、俺が傍にいるよ。だから泣かないで、笑っていてくれ。俺のお姫様」




優しい微笑みと共にバラを差し出されて、ふと、幼い声が蘇った。




『このばらにちかって、りりちゃんがさみしいときは、ぼくがそばにいるよ。だからなかないで、わらっていて? ぼくのおひめさま』