話したいことがあると言われていたのを思い出して、漠然とした不安に駆られたので、ついてきて、と声を出さずに伝えた。
それから特に会話も無く、獅紋と中庭の例の場所に来ると、風に髪をさらわれた。
「獅紋。話って、何?」
こちらから切り出すと、獅紋は振り向いて「その前に」と口を開く。
「最後の確認をしたい。手を出してくれるか」
「……いい、けど」
確認って何だろう。
そう思いながら、恐る恐る右手を前に出した。
獅紋は私の手を取って、小型の機械のような物を近付ける。
それが魔力波解析機だと気付いたのは直前で、私は咄嗟に解析妨害の魔法を解いた。
殺し屋だと疑われているなら、偽装した波長じゃなく、私本来の波長を見せれば氷霞だとバレることは無い。
嫌な汗をかきながら、どくどくとうるさい心臓を宥めて、獅紋の様子を伺った。



