綺麗にお辞儀をして、類家胡桃は廊下の奥へ歩いて行った。
私は担任に連れられ、職員室の近くにある生徒指導室で学園についての簡単な説明を受ける。
さくら魔法学園は、数ある魔法学園の中でも、エリート校と呼ばれる偏差値の高い学校だ。
1~3年は中等部、4~6年は高等部と呼ばれ、中等部卒業時に試験を受けて合格した生徒が、引き続き高等部に通う権利を得る。
中でも変わっているのは、Sクラスという制度。
各学年の成績優秀者が集められ、生徒の模範となる義務が生じる代わりに、様々な恩恵を与えられる。
1つ例を挙げるなら、寮の部屋。
さくら魔法学園では高等部に上がると全寮制になるのだけど、Sクラス生徒の場合、2人部屋は2人部屋でも、寝室が個別に用意される。



