「仕事、だから……」
「うん。ひとだすけの、おしごとだよ。たーげっとがしんだら、うれしいひとがいるんだ」
「……うん。分かった……」
目を瞑って、新しい理由を頭に染み込ませた。
私にはボスが全て。
他の言葉は、聞かなくていい。
余計なことは、考えなくていい。
「いいこだね。ぼくのいうことがきけて、えらいえらい」
ニコニコ笑って頭を撫でられ、不安も恐怖も消える。
ただボスに褒められたのが嬉しくて、自然と口元が緩んだ。
もっとボスに褒められたい。
殺し屋で在る理由なんて、それだけでいい。
「らいかいんしもんをねらう、ほかのころしやは、まどうけいさつにつかまえさせたんだって?」
「うん。交渉じゃ、引かなかったから」
「そっか。よくできたね。ひょうかおねーちゃんは、まどうけいさつにうたがわれなかった?」



